どぉもねっ

今回は楽天グループの現在の株主優待制度をどこよりも詳しく、そして分かりやすく徹底解説します。

そもそも楽天グループってどんな会社？

株主優待の話に入る前に、楽天グループがどのような会社なのか簡単におさらいしましょう。

楽天グループは、Eコマース（楽天市場）、フィンテック（楽天カード、楽天銀行、楽天証券）、そしてモバイル（楽天モバイル）を三本柱とする巨大企業です。これらのサービスを連携させることで、ユーザーを自社のサービス群に囲い込む「楽天経済圏」という独自の生態系を築き上げています。

近年は、特に第4のキャリアとしての「楽天モバイル」事業に巨額の投資を行っており、このモバイル事業の成否が、会社全体の業績、ひいては株価を大きく左右する状況が続いています。

【本題】衝撃の株主優待「音声プラン1年無料」を完全解剖

それでは、注目の株主優待制度を見ていきましょう。現在の優待は、過去の楽天キャッシュやクーポン提供から大きく舵を切り、楽天モバイルのサービスそのものを長期間無料で提供するという、非常にインパクトのある内容になっています。

優待の具体的な中身

• 対象となる株主: 毎年12月末日の株主名簿に記載されている100株以上の株主
• 優待内容: 楽天モバイルの「音声＋データ30GB/月プラン」を1年間無料でご提供
• 通話の仕組み:
  • 専用アプリ「Rakuten Link Office」を利用することで、国内通話と国内SMSが無料になります。
  • （0570）等から始まるナビダイヤルや、一部特番（188）への通話など、一部対象外となる番号があります。
• 提供形態: 物理的なSIMカード、またはeSIMのどちらかを選択可能です。これにより、ご自身の環境に合わせて柔軟に利用形態を選べます。

この優待の最大の特徴は、単なるデータ通信だけでなく、音声通話まで含めたフルプランが「1年間」という長期間にわたって無料になる点です。これは、株主に対して自社サービスの強力な利用体験を促し、モバイル事業の顧客基盤を盤石にしたいという、楽天グループの強い意志の表れと言えるでしょう。

新・楽天株主優待の絶大なメリット

この前代未聞とも言える優待には、計り知れないメリットが隠されています。

年間26,000円超 驚異的な通信費の節約効果

最大のメリットは、その圧倒的な経済的価値です。

楽天モバイルの通常プラン「Rakuten最強プラン」では、データを3GB以上使うと料金が上がり、20GBを超えると一律で月額2,178円（税込）となります。（Linkアプリ利用での国内通話無料は同様）

今回の優待は、毎月30GBのデータ通信と音声通話がセットになっているため、その価値は単純計算で、

月額2,178円 × 12ヶ月 = 年間 26,136円相当

となります。

2025年6月12日時点の楽天の株価が約840円だと仮定すると、100株の投資額は約84,000円。これに対して年間26,136円相当のリターンが得られると考えると、優待利回りはなんと約31%にも達します。これは、他のあらゆる株主優待と比較しても、群を抜いて高い、まさに破格の利回りです。

サブ回線ではなく「メイン回線」として使える実力

以前のデータ専用SIMの優待では「サブ回線」としての活用がメインでした。しかし、今回の優待は音声通話も無料です。これにより、ついに「メイン回線」として楽天モバイルへ乗り換える、という選択肢が現実的になります。

毎月スマホに5,000円、10,000円と払っている方であれば、この優待を利用することで、1年間の通信費をほぼゼロに抑えることも可能です。家計に与えるインパクトは絶大と言えるでしょう。

楽天モバイルのフルサービスを1年間じっくりお試し

「楽天モバイルって、通話品質は大丈夫？」

「地下やビルの中でも本当につながるの？」

そんな不安を感じている方も、この優待があれば安心です。データ通信の品質だけでなく、「Rakuten Link Office」アプリを使った通話の品質や使い勝手も含めて、1年間という非常に長い期間、一切のリスクなく試すことができます。生活のあらゆるシーンで使い心地を試し、本当に自分に合ったサービスかを見極めるには、十分すぎる期間です。

デメリットと注意点も正しく理解しよう

これほど魅力的な優待ですが、投資である以上、注意すべき点も存在します。

株主番号の変更による「継続利用不可」のリスク

これは長期保有を考えている方にとって非常に重要な注意点です。一度保有している楽天株をすべて売却し、その後で買い直した場合、証券会社のシステムによっては「株主番号」が変更されてしまうことがあります。

もし株主番号が変わると、楽天側からは「別人の新しい株主」として認識されてしまいます。その結果、前年から利用していた優待回線をそのまま引き継いで利用することができなくなります。電話番号も変わってしまうため、毎年同じ番号で優待を継続利用したいのであれば、権利確定日（12月末）をまたいで安易に全株を売買することは避け、長期で保有し続けるのが最も確実です。

利用するスマホに合ったSIMを選ぶ必要がある

今回の優待からSIMカードとeSIMを選べるようになり、利便性が向上しました。しかし、どちらを選ぶにせよ、ご自身のスマートフォンが対応しているかを確認する必要があります。特にeSIMは比較的新しい技術のため、非対応の機種もあります。申し込み前に、お使いのスマホの仕様を確認しておきましょう。

「Rakuten Link Office」アプリ経由での発信が必要

無料通話は、スマホに標準で入っている電話アプリからではなく、専用の「Rakuten Link Office」アプリを使って発信する必要があります。この操作に慣れるまでは、少し戸惑うかもしれません。また、このアプリはデータ通信を利用して通話する仕組みのため、通信環境が著しく悪い場所では通話が不安定になる可能性も理論上は考えられます。

すべての通話が無料になるわけではない

前述の通り、ナビダイヤル（0570）やフリーダイヤル（0120）、緊急通報（110、119）以外の特番など、一部の番号への発信は無料通話の対象外となり、別途料金が発生します。これらの番号にかける機会が多い方は注意が必要です。

最も重要な「株価変動リスク」

忘れてはならないのが、株価変動のリスクです。年間26,000円以上の価値がある優待をもらっても、それ以上に株価が下落してしまえば、資産全体としてはマイナスになります。楽天グループの株価は、特にモバイル事業の業績動向に大きく左右されるため、値動きが激しくなる可能性があります。優待利回りだけに目を奪われず、企業価値や事業の将来性を見極めて投資判断をすることが不可欠です。

【応用編】優待を120%使いこなす活用術

この強力な優待、どうせなら最大限に活用したいですよね。いくつか応用テクニックをご紹介します。

• 仕事用・副業用の「第2の電話番号」として:

  

  「Rakuten Link Office」という名称からも分かる通り、ビジネスユースも想定されています。プライベートの電話番号とは別に、仕事専用の電話番号を持ちたい個人事業主や、副業をされている方にとって、無料でビジネス用の電話番号と通信環境が手に入るこの優待は、まさにうってつけです。

• 最強のテザリング親機として:

  

  毎月30GBという大容量データは、テザリングにも最適です。この優待SIMを入れたスマホを「モバイルWi-Fiルーター」代わりにすれば、外出先でPCやタブレットをインターネットに接続する際も、データ容量を気にすることなく快適に作業ができます。

まとめ：新しい楽天の株主優待はこんな人におすすめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

楽天グループの株主優待が、いかにパワフルで戦略的なものであるか、お分かりいただけたかと思います。

最後に、この優待がどんな人におすすめなのかをまとめます。

• とにかく毎月の通信費を抜本的に見直し、節約したい人
• 現在のスマホプランに不満があり、メイン回線の乗り換えを検討している人
• 楽天モバイルのサービス全体を、長期間・無料でじっくり試してみたい人
• 仕事や副業で、プライベートとは別の電話番号と通信環境が欲しい人
• そして何より、楽天モバイル事業の未来を株主として応援したいと考えている人

楽天グループの株主優待は、単なる「おまけ」ではありません。株価変動のリスクを正しく理解した上で、この類まれなる優待のメリットを享受できるのであれば、楽天株への投資は、あなたの生活と資産をより豊かにする、非常に面白い選択肢となるに違いありません。